Excelの印刷設定の謎。同じフォントサイズなのに印刷すると大きさが違うのは何故?

昨日職場で「同じフォントサイズなのに文字サイズが違う」という相談を受けました。原因は「ページ倍率」が違っていたことでした。他の人が作ったファイルを引き継ぐと戸惑う方が多いようです。

今日は印刷設定のポイントについて書きます。「Excelの印刷が苦手」という方は確認してみてくださいねー。

Excel印刷は余白・印刷範囲ページ倍率の関係を理解するとうまくいきます。

目次

重要ポイント1 余白の内側が1ページ

まず基本中の基本、用紙の余白を設定します。余白とは紙の縁、つまり印刷しない部分のことです。

なごみ

まずここの数字を確認しましょう。

ページレイアウト→余白→ユーザー設定の余白

紙の端から印刷領域までの幅を、上下左右の4方向から個別に設定します。設定画面の絵を見ると分かりやすいですね。

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ワークシートに書かれたものは上下左右の余白の内側に印刷されます。これは各シート毎に共通の設定です。

この印刷範囲が型枠のようになり、大きなワークシートが順に切り取られていくと考えると分かりやすいでしょう。

例えば A4用紙サイズ 縦29.7cm 横21cmで‥

縦方向 上余白 1.9cm 下余白 1.9cm なら⇒ 29.7cm-1.9cm-1.9cm=縦方向は25.9cm

横方向 左余白 1.8cm 右余白 1.8cm なら⇒ 21cm-1.8cm-1.8cm=横方向は17.4cm

この場合縦25.9cm✕横17.4cmのサイズでワークシートを切り取っていくことになります。

ちなみに切り取られる方向は、左から右、上から下というようにページの方向で設定します。

ページレイアウト→シート→ページの方向

さらに念のためにページタブに切り替えて、用紙の縦横も確認しておきましょう。

重要ポイント2 ページ倍率100%が基準

100%が規定のサイズ

フォントサイズは12ポイントは約4.2mm、9ポイントは約3.17mmというように決まったサイズで印刷されます。でもこれは、あくまでもページ倍率100%の元での話です。

ページ倍率を変えれば、それに応じてここからフォントサイズが大きくなったり小さくなったりします。

ページ倍率を変更すると全体が拡大・縮小して印刷される

ページ倍率とは「規定のサイズからどのくらい拡大縮小して印刷するか」指定するものです。初期設定では100%。

例えばページ倍率を小さくすれば、縮小されるので1ページに、たくさんおさめることが出来ます。

ExcelのシートはWordのように紙の画面イメージでないので、慣れないと分かりにくいですよね。画面いっぱいどこまでも広く文書が作成できます。

この大きなシートが、設定した紙の大きさで機械的に左上から区切られます。収まらない分は次のページに自動的にはみ出して印刷されます。

ページ倍率  「サイズ」→「その他の用紙サイズ」

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ページ倍率100%でこのように印刷されていたものが

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ページ倍率50%に変更すると小さく印刷されます。

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縮小されると文字サイズは小さく、罫線も細くなります

同じフォントサイズなのに体裁が異なるのはこのためです。ですので文書を同じように作成したい時は、ページ倍率を揃えておくとやりやすくなります。おかしいなと思ったらまずページ倍率を確認しましょう。

ページ倍率はツールバーの拡大縮小印刷の中に表示されている倍率と共通です。

これらの「余白」と「ページ倍率」を必ず意識して、その設定でどんなサイズで出力されるかを感覚を身につけましょう。続けると、だんだん分かるようになってきます。

規定サイズの感覚を身に着けるには

  1. ページ倍率100%で文書を作成する。
  2. ページに収まらない時には列幅、行幅、文字サイズを修正してページ内に収まるように調整する。

ページ倍率を決めておくとフォントサイズや罫線の太さが一定になるので、規定の感覚を身に着けやすいのです

まずこれを徹底的にやってください。肌感覚で分かるまでです。ちなみに私は紙の文書を見ただけでページ倍率を変更していることが直感的に分かります。

ページ倍率と画面倍率は別物

ページ倍率と混同されることが多いのが「画面倍率」です。

画面右下のこの部分に出ているものです。マウスの中央ボタンをコロコロと回すとこの数字が変わり、画面が拡大・縮小されます。「ここで印刷も変わらないのか」とよく聞かれますが、変わりません。画面倍率は単に画面の倍率を指定するだけのもので、印刷には影響しません。

画面倍率 → 画面右下

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慣れると便利な改ページプレビュー

慣れてきたら「改ページプレビュー」を使う

規定サイズの感覚が身に着いたら、おすすめしたいのが次に説明する改ページプレビューです。手っ取り早くページ切り替え位置の調整ができるので便利です。

改ページプレビューの使い方

例えばこういう場合です。L列の右側と17行目の下の点線がページの切り替え位置を表しています。18行目が横ラインの点線からはみ出していますね。行間を少し縮めればおさまりますので、本来そうするのが良いのですが、今回はこのままの縦横バランスで一枚に収めたいとします。

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表示メニューの「改ページプレビュー」をクリックします。

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このようなメッセージが出たらチェックを入れてOKをクリックします。

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画面表示が少し小さくなり青いラインが現れました。「1ページ」とページ番号の透かし文字が背景に入りますが、これは印刷されません。

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17行目の下の青い横ラインを下へドラッグします。

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全体が1ページ内におさまりました。簡単ですね。

「表示メニュー」→「標準」で印刷設定はそのままで画面表示だけ標準に戻せます。見にくい方は戻しておきましょう。

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改ページプレビューの正体

ところで改ページプレビューによって、Excelはどこを調整しているのでしょうか。

ページレイアウト→サイズ→「その他の用紙サイズ」を確認してみましょう。

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初期設定では100%だったページ倍率が、95%になっています。

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つまり、改ページプレビューは「ページ倍率の自動調整機能」なのです。

自動調整機能にはもう一つ便利なものがあります。

ページ数を指定して自動調整

ページ倍率の下にある「次のページ数に合わせて印刷」です。現在の印刷設定範囲を何ページにわたって印刷するかというものです。例えば「横1×縦1」と設定すれば、全体を1ページに自動的に収めてくれます

縦横の比率は一定で拡大縮小してくれます。そのため、縦横の内どちらかはみ出す方があればそれが余白の内側に収まるように自動調整します。

倍率は縦横のうち、長い方に影響されます。「横1×縦 空白」とすれば、「縦は何ページに渡ってもいいので、横幅がぴったりおさまる範囲に倍率を自動調整する」ように働きます。これはよく使います。

慣れるまで少し混乱する方が多いのは、このようにいくつかの要素が関わることに拠ります。ここが理解できれば、かなりスッキリすると思います。

ではまた!

罫線の太さについて

ちなみに100%の時は罫線が少し太くなるので、私は罫線の中でも一番細いこのラインをよく使います。

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Excelのツールバーの罫線ボタンを使うともう一回り太いラインがデフォルトになるのですが、このラインを外枠のラインに使うと見やすくなります。

初心者の方にも分かりやすいよう考え抜いて、心を込めて書きました。お役に立ちましたら記事をシェアしていただけると嬉しいです。

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